明けましておめでとうございます。旧年中は、いろいろとお寺のためにお取り持ちをしていただきまして、誠にありがとうございました。多くの方が本堂再建のご寄付をお申し出下さり、尊い浄財の完納も進んでおります。昨年11月6日に新本堂が完成、亀山建設より引き渡しを受け、現在、京都高田仏具店に内陣荘厳を手掛けて頂いております。仏具、天井画などの特別懇志を受け付けていますので、お志のある方はお申し出下さい。本年9月にはお荘厳完了引き渡し、10月に落慶法要の予定となっております。皆さんと共に大事業完遂に邁進する所存です。今年も何卒よろしくお願いいたします。 また、昨年、11月18日に前坊守が往生の素懐を遂げました。ご案内が全ご門徒に行き届きませんでしたこと、お詫び申しあげます。新本堂落慶を楽しみにしておりましたが、建設完成引き渡しには間に合い、11月22日、新本堂にて葬儀を営むことができました。総代さん、地区役員、仏壮仏婦役員の皆さまには大変お世話になりました。この場を借りて改めて御礼申しあげます。 晩年は「わからん、なにをすればいいんや、どうなってまったんや」と歎く日々。そんな中、時折、ナンマンダブツとお念仏がこぼれます。 あれ!お念仏が出て下さるね♪ うれしくて、ナンマンダブツと母と一緒にお念仏。 母はそれを特によろこぶ風でもなく、直に「わからん・・・」と歎き節が始まるのですが、仏さまが母を忘れることはありませんでした。母の計らいをこえてお念仏がこぼれます。 11月4日に危篤を告げられてから2週間、寝たきりの母に実に多くのお手まわしを頂き、いのちの不思議さを感じずにはいられませんでした。 17日、3日間の布教のご縁を終えた若院の「ありがとね」の報告を無言で受け、翌朝4時半に往生されました。 蓮華蔵(れんげぞう)世界(せかい)に至ることを得れば、すなはち真如法性(しんにょほっしょう)の身を証(しょう)せしむと。 (正信偈) 孫たちの出来ることが増えていくのとは逆に、出来たことがどんどん出来なくなっていく。最後は、こちらの声掛けに応答することも叶わなくなりましたが、お聞かせ頂く通り、いよいよ有漏(うろ)の穢身(えしん)を捨て、無碍自在にナンマンダブツそのものとなってはたらかれる準備が整えられていくのだな、という気がしてなりませんでした。 そのように受け止められたお育てに感謝。母のお骨を拾いながら、こぼれ出て下さったお念仏に、感無量。 合掌